小㞍健太『Study for Self/portrait』インタビュー!
ユニット活動も積極的に展開されていますね。
小㞍>ユニットはSURFACE AND DESTROYとOptoのふたつがメイン。SURFACE AND DESTROYは実験的な活動が中心で、実際に何か作品をつくるというよりは、作品をつくるためのインプットの場でもあり、パイオニアプロジェクトのような感覚で活動できたらと思っています。メンバーは固定とは考えていませんが、まず舞台美術家の瀬山葉子さんとサウンドデザイナーの森永泰弘さんと僕という異色の三人ではじめ、先日城戸崎国際アートセンターでワーク・イン・プログレス公演を開催してきました。ダンスワークショップではふたりにも参加してもらったり、逆にふたりのワークショップを僕も受けたりといったこともしています。僕の知ってる世界とは全然別のところから意見を言ってくれるので、本当に新鮮だしすごく楽しいですね。
Optoはいわばプロジェクトカンパニー。日本ではバレエから発展したコンテンポラリー作品というのがいまひとつ流通していないので、それを観ることのできる機会をつくっていきたいというのがまずひとつ。あと今僕らの次の世代がすごく頑張っていて、海外のコンテンポラリーダンスカンパニーに所属しているので、彼らが日本で踊りたいと思える環境をつくっていきたいとも考えています。やっぱりみんな日本好きだから、踊る場があれば戻ってきたいと思ってる。でも環境がなかったり、つながりがなかったりすると難しくなってしまうから。
Optoは僕と元NDTの渡辺レイさん、湯浅永麻さんの三人が中心になっていて、普段はそれぞれの活動をして、プロジェクトのときに集まるというスタイル。お互いが積み重ねてきた経験を持ち寄ることでモチベーションもすごく上がるし、そういう場所になれたらいいなと思っています。
小㞍さんの今後の野望、目指すものとは?
小㞍>やはりスタジオはどこかに欲しいですよね。Optoは普段それぞれが個々に活動しているけれど、拠点となる場があればいいなと思う。それは僕たちだけではなくて、これから海外に行こうと思ってるダンサーが集まれる場所、情報交換できる場所があればいいなと思います。
やってみたいことはひと通り挑戦できた気がします。もちろんコラボレーションしてみたいリストはいっぱいあるし、5年後、10年後こうしたいなというのは一応あります。ただ実際に見えるものではなくて、すてきなダンサーになっていたいとか、ちょっと漠然としすぎてる。たとえば劇場をつくりたいとか、はっきりした野望はなくて。ある意味自由でいたいなとは思っています。
僕のダンサー人生はバレエを習うところからはじまっていますが、コンテンポラリーとの境もそうだし、ダンサーだとか振付にしても僕の中では別れてなくて。ダンスを踊っていくというくくりの中でバレエから振付までつながっていて、これからもその部分は変わることがないようにしたいと考えています。自分がダンスを続けていくために、いろいろな経験をしていきたいという想いはある。でも例えばプロデューサーになりましたとか振付家に転向しましたとかいうのではなくて、自分が踊ることによって全てがつながっていくのが理想。気づいたらそうなっているのが一番いいですね。
転身することなく一生現役を続けていく?
小㞍>以前占い師にみてもらったら“72歳まで踊れます”と言われたので、何となくそれを信じています(笑)。野望といったらそうですね。できれば踊りに関わることをずっと続けていきたいと思っています。