dancedition

バレエ、ダンス、舞踏、ミュージカル……。劇場通いをもっと楽しく。

大貫勇輔『メリー・ポピンズ』インタビュー!

この春日本上陸を迎える大型ミュージカル『メリー・ポピンズ』に、メインキャストのひとり・バート役で出演する大貫勇輔さん。開幕に先駆け、大貫さんにインタビュー。長期に渡ったオーディションと、リハーサルの様子、作品への意気込みをお聞きしました。

この春開幕を迎える話題のミュージカル『メリー・ポピンズ』。大貫さんはメインキャストのひとり・バート役で出演されます。キャスト選出にあたり、長期のオーディションが行われたそうですね。

大貫>オーディションは数年前から始まって、歌と芝居と踊りの審査を何度も繰り返し受けてきました。本当に長い道程でしたね。最初は芝居と歌のオーディション。事前に数曲分の楽譜をもらって、一回目のオーディションで歌いました。ダンスの審査は二回目のオーディションから。海外のスタッフが来たときに初めて踊りの審査があって、芝居と歌の審査もそこでまた改めて受けています。

ダンスの審査はジャズやボードヴィルが主で、ショー的なニュアンスの動きが多かったと思います。タップの審査もありましたが、僕自身あまりタップの経験がなくて、“もっと観客にアピールするようにタップを踏んで”と注意されたのを覚えています。タップって音を意識しているとどうしても下を向いてしまいがち。タップを踏みながらプレゼンテーションもきちんとする、というレベルまで持っていくまで最初はかなり手こずりました。

何より苦労したのは歌でした。他の仕事で歌うこともあったし、ずっと歌の稽古は続けていたけど、それだけではなかなか追いつかなくて……。審査の課題は実際に『メリー・ポピンズ』の中に登場するシーンから抜粋されたもの。基本的に毎回同じことを繰り返しみせて、オーディションの後半になるとその質が少しずつ変わっていき、次第にワークショップのような形になっていきました。例えば“自由に踊りながら歌ってみて”とか、この空間でバートとして存在しながら歌ってみて”とか、オーディションを重ねるごとにオーダーもどんどん具体的になっていった感じです。

あるとき海外のスタッフから、“君は存在自体がもうバートだ。踊りは完璧だから、もっと歌をがんばって欲しい”と言われたことがあって。僕もそこでぐんとスイッチが入ったというか、“何度もオーディションを受けてきたんだから、絶対にこの役を掴むんだ!”と強く心に決めました。

 

大貫勇輔

製作発表


バート役に受かったときの心境はいかがでしたか。

大貫>受かったと聞いたのは去年の春。そのときは喜びというよりも、やっとスタートラインに立てた、という気持ちでした。それよりも最後のオーディションが終わったときの方が感慨が大きくて、あのときはもう本気で泣きましたね(笑)。“やっと終わった、ようやくこの苦しみから解放される!”と……。

何度受けても、オーディションってすごく緊張するんです。何にしてもそうだけど、“これは大丈夫だ”と見たい景色が見えているときは緊張しない。でも稽古できていないもの、どうなるかわからないものに関しては緊張します。オーディションの前日は、“またこの時がやって来たかーー”と思って毎回眠れない。布団に入って寝ようとすると、“チム・チム・ニー”が頭の中に延々と流れて、“もうやめてくれ!”という感じ(笑)。

いつ終わりが来るのかわからないというのが本当に辛かった。ただ“絶対にこの役を掴む!”と決めていたので、決まったときは“よし、やっと始まるな”という気持ちでしたね。

大貫勇輔

(C)Disney/CML

 

作品はご覧になりましたか? 感想をお聞かせください。

大貫>DVDで観ています。言葉はあまりわからなかったけど、とにかく夢いっぱいで、温かい、ディズニーらしい作品だなという印象でした。メロディも耳馴染みがあるし、また知らないメロディでもどこか温もりのある曲になっていると思いましたね。バートが宙吊りになって壁と天井をタップしながらぐるりと歩くシーンがあったり、メリーが宙を飛んでいったりと、演出や装置も素晴らしい。

マイケルとジェーンの芝居の上手さにも驚きました。バンクス家が変化していく過程が話の軸にあるので、子供たちがかなり物語を担ってる。実際に稽古をしていても、子供たちはすごく大変だろうなというのは見ていて感じます。あとセットにしても衣裳にしても、とにかくカラフルでキレイ。言葉がわからない分、それが強く印象に残っています。

 

大貫勇輔

(C)Disney/CML  Photo: Johan Persson

 

 

-ミュージカル