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佐多達枝『カルミナ・ブラーナ』インタビュー!

1995年に初演を迎えたO.F.C.の合唱舞踊劇『カルミナ・ブラーナ』。ダンスと歌唱、そしてオーケストラで描かれるダイナミックなステージは大きな反響を呼び、以来8度に渡り上演を繰り返してきました。そしてこの夏、待望の再演が決定。開幕を前に、芸術監督を務める佐多達枝さんにインタビュー! 作品へ寄せる想いをお聞きしました。

O.F.C.合唱舞踊劇『カルミナ・ブラーナ』の初演から23年が経ちます。芸術監督として日本のダンス界をご覧になって、その変貌をどう感じますか?

佐多>ダンスの世界もすごくオープンになりました。昔はバレエで創作ものをつくるということ自体、抵抗感を持たれるような風潮がありましたから。とはいえ今でも日本人はやはり古典作品を好む傾向にありますよね。古典の場合、誕生してからずっと長い時間をかけて世界中で上演されてきた訳だから、作品として鍛えられている部分もあるでしょう。

 

佐多達枝

 

ダンサーに関していえば、とにかく何でも踊れるようになりましたね。ひと昔前まではよその舞台を観に行ったというだけでいろいろ言われたり、他の方の振付け作品を踊ったら“あなたはもうウチには来ないで”なんて言われたこともあったと聞きますが、今はほとんどそういうことはなくなりました。だからダンサーも昔と違って自由になったし、柔軟に動きを受け入れるようになりました。昔はちょっと変わった振りを渡すと、“えっ、この動きをするんですか?”と言われたものですけど(笑)。

海外からもいろいろな振付家が来ているので踊る方も随分鍛えられているし、ダンサーが海外に行くことも普通になってきましたから、ダンサーの質も向上しています。とはいえ、まだまだ足りないなと感じることもあります。だいぶ良くはなりましたが、日本の舞踊界そのもののレベルがまだ海外に比べたら低いですよね。期待すること、思うことはいろいろありりますが、ただ自分のことに関して言えば、もっと才能が欲しい。それのみですね。

 

佐多達枝

 

 

 

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