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堀田千晶『メシュラシュ』インタビュー!

イスラエルのバットシェバ・アンサンブルで活躍する堀田千晶さんが、独自プロジェクト『メシュラシュ』を発足。スウェーデン、イスラエル公演を経て、この夏日本公演を敢行します。日本初お披露目に先駆け、イスラエルの堀田さんにインタビュー。プロジェクト発足のきっかけと現地での日々をお聞きしました。

プロジェクト『メシュラシュ』発足の経緯をお聞かせください。

堀田>メシュラシュはヘブライ語で3角形の意味。響きが良いし、覚えやすいですよね。メンバーは私とダニエル・デヴェリース、イタイ・エクセルロードの3人です。ダニエルはスウェーデンのヨーテボリ・オペラ・ダンスカンパニーにいたときの同僚で、ヨーテボリ時代に何度か一緒に作品をつくったことがありました。私は昨年からイスラエルのバットシェバ・アンサンブル(ジュニアカンパニー)で踊っていますが、スウェーデンを離れるときに“また一緒に創作できたらいいね”という話をしていたんです。その後バットシェバで知り合ったイタイと“一緒に作品を作ろう”という話になって、“じゃあダニエルを加えて3人で一緒にプロジェクトを発足しない?”と提案したのが始まりでした。

イタイはバットシェバ・アンサンブルのメンバーで、ダニエルは今ストックホルムでフリーランスのダンサーをしています。イタイは男性でイスラエル育ち、ダニエルは女性でスウェーデン出身です。3人とも国も違えばバックグラウンドも違う。ダニエルは3年間ストックホルムのロイヤルスウェディッシュバレエスクールで学び、ヨーテボリ・オペラ・ダンスカンパニーで踊っていました。イタイはヒップホップからスタートして、本格的にダンスをしようということでバレエとコンテンポラリーを学んだそうです。私が一番年上の27歳で、ダニエルが26歳、イタイが20歳です。

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もともと振付にも興味があった?

堀田>初めて作品をつくったのはオランダのネザーランド・ダンス・シアター2にいたときのこと。カンパニーの方針で年に一度ダンサーに作品をつくる機会が与えられ、私も二度ほど小作品を発表しました。そういった機会はやはりヨーテボリ時代も同じくあって、毎年何かしらの形で作品をつくっていましたね。ダニエルとは創作のテーマが合い、美術館でインスタレーションをしたり、ふたりだけでパフォーマンスをしたりと、カンパニーとはまた別の場で何度か一緒に作品を発表してました。

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スウェーデンとイスラエルと距離があるなかで、クリエイションはどのように行っているのでしょう。

堀田>スウェーデンとイスラエルはフライトでいうと4~5時間くらい。やはりすぐに会える距離ではないので、当初はスカイプでのやりとりが中心でした。テーマについて話し合ったり、スウェーデン的な動きの要素は何か、ダニエルが考える日本要素やイスラエル要素とは何かといった感じで、振りのマテリアルをお互いに送り合うような作業です。

今年の2月にダニエルがイスラエルに一ヶ月滞在して、本格的に3人で作品をつくりはじめました。スカイプでは何度もミーティングをしていたけれど、ダニエルとイタイはそのときが初対面。ダンサーとしてちゃんと身体をあわせる作業は初めてだったので、当初はお互い言えないこともたくさんあったような気がします。とりあえずインプロをやってみようということで、3人で動いた様子を映像に収めて、いい動きがあったら振りとしてととのえていきました。基本的にみんな立場は均等で、お互い意見を言い合って、そこで何かいいアイデアが出たら取り入れていく感じです。

ただクリエイションが進んでも、3人でつくって3人で踊っているので、客観的なジャッジを下すのはなかなか難しくて。知り合いのダンサーに見てもらったり、ダンスとは全く関りのない人の意見を聞いたこともありしました。ダンスを知っている人だけでなく、一般の方が観て面白いと思ってくれるような作品にしたいので、いろいろな人の意見を取り入れています。

 

 

 

-コンテンポラリー