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映画『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』出演、ユーゴ・マルシャン&ジェルマン・ルーヴェ インタビュー!

パリ・オペラ座の新芸術監督に就任したバンジャマン・ミルピエの奮闘を追ったドキュメンタリー『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』。オペラ座での新作に打ち込むミルピエに40日間に渡り密着し、その舞台裏を鮮やかに映し出しています。ここでは映画に登場するダンサーたちのなかから、ユーゴ・マルシャン&ジェルマン・ルーヴェのおふたりにインタビューを敢行! ミルピエとのクリエイションと映画の見所についてお聞きしました。

 

♦ ユーゴ・マルシャン インタビュー

 

2016年夏に『エトワール・ガラ2016』へ出演されました。公演の手応えはいかがでしたか?

マルシャン>とても楽しかったです。東京での公演は5回目だったので、緊張もせず、ストレスなく終えることができました。日本の観客は敬意に満ちていますし、温かくダンサーを迎えてくれるので、日本で舞台に立つのはうれしいことしかないですね。

ダンサーとして一番大事にしていることは何ですか?

マルシャン>ダンサーにとって一番大切なものは音楽性でしょう。二番目は、自分の全てを観客に捧げることです。観客はチケットを買い、私たちのために時間を割いて公演を観に来てくれています。そうした方たちに敬意を持って、いつまでも観た方の心に残る公演ができるよう、自分の持ち得る限りの力を全て込めて踊ることが大事だと思います。

今後の目標を教えてください。

マルシャン>“踊り続けること”です。少しでも長く、いつまでも踊り続けていたい。そしてアーティストとして成長していきたいと思っています。また、バレエには魅力的なキャラクターがたくさんいますので、できる限り多くの役を演じたいと思っています。例えば、『オネーギン』のオネーギン、『マノン・レスコー』のデ・グリュー、『椿姫』のアルマンなどです。そうした素晴らしい役を心を込めて演じていきたいです。

 

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映画『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』を観た感想をお聞かせください。

マルシャン>パリで行われたプレミア上映で観て、とても気に入りました。素晴らしい映画だと思います。編集も見事ですし、映像はもちろん、演奏や照明、音楽、どれをとっても非常に美しかったです。自分自身がダンサーとして映っているので、客観的に公演を観ることで、今までと違った魅力に気づくことができました。

芸術監督としてのミルピエについて、どんな印象を持ちましたか?

マルシャン>ミルピエがパリ・オペラ座の芸術監督に就任していた間、3回も彼の公演に参加することができました。このような経験ができ、自分はすごく運が良かったと思います。一作目は『わたしたち二人』というタイトルのパ・ド・ドゥ。ダンサーへの要求が非常に高く、濃密な経験でした。二作目は『夜が終わる』で、音楽が特徴的な、弾けるような印象のあるユニークな作品でした。三作目が映画にも登場する『クリア、ライト、ブライト、フォワード』です。ミルピエとはいつもシンプルに関係性を築くことができるので、とても仕事がやりやすいですね。互いに提案をし合うことができますし、非常に刺激的でやりがいにあふれた作業になります。彼はパリ・オペラ座に次々と新しいシステムを導入し、革新を起こしました。私はミルピエと会う前にも、『ダフニスとクロエ』という作品で彼の仕事を見ていましたが、その後実際に一緒に仕事ができる機会に巡り合えてうれしかったです。

 

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映画『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』では、『クリア、ライト、ブライト、フォワード』が出来上がるまでが描かれています。ミルピエとのクリエイションはいかがでしたか?

マルシャン>『クリア、ライト、ブライト、フォワード』に参加した経験は、非常に美しい冒険であり、新しい物語の始まりでした。私だけでなく、どのダンサーもこの公演に参加できることに興奮し、楽しみにしていました。ただ、当時怪我をしていたダンサーが多く、稽古期間中に役の変更も行われ、健康上の問題も起きました。ですが、最終的には全て上手くいったと思います。ミルピエは話がしやすい人なので、彼と仕事ができてよかったですし、今振り返って考えてみても、かけがえのない貴重な経験になったと感じています。舞台美術や照明の美しさにも感銘を受けました。さらに、シーズンの開幕を飾るガラとして上演されたので、それも非常に特別な経験になりました。

日本のファンにメッセージをお願いします。

マルシャン>『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』は、パリ・オペラ座、特にガルニエ宮の中で撮影された、とても美しく、密度の濃い内容のドキュメンタリー映画です。さまざまな世代のダンサーをご覧になれる機会ですし、私にとってもこの公演はダンサーとして非常に素晴らしい経験になりました。ぜひ日本のみなさんにも映画をご覧になっていただきたいと思います。

 

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