ドロテ・ジルベール『パリ・バレエ・フィット』インタビュー！

エトワールに就任して10年以上に渡りトップダンサーとして舞台に立ち続けてきました。誰もが憧れるエトワールであるために、普段大切にしていることをお聞かせください。

ドロテ＞完璧なダンサーだからエトワールになれるという訳では決してありません。ただ非常に到達しにくいポジションであるのは確かで、そこに辿り付くまでの道程は険しいものがある。みなさんがエトワールに対して“完璧”というイメージがあるとしたら、そのせいかもしれませんね。

私自身小さい頃からダンスに打ち込み、18歳になる頃にははっきりとエトワールを目標に掲げていました。実際にエトワールになったことで、自分が望むような役を与えられるようにはなりました。けれどダンサーは誰しも“もっと身体が柔らかくなりたい”、“もっとピルエットが回れるようになりたい”と、常にその先を目指し続けるもの。

私のダンスへの向き合い方、仕事への向き合い方もやはりエトワールになっても変わることなく、“今よりもっと上手にできるのではないか”という想いで絶えず鍛錬を続けています。常に壁が目の前にあって、“よりその先を極めよう”という気持ちで日々の稽古に臨んでいます。

Photo by James Bort

“今よりさらに上の自分”を目指し続けていくのはとても大変なもの。踊りに対する情熱の衰えを感じるような瞬間はないですか？

ドロテ＞私は８歳から踊り続けていますが、確かに道程は平坦ではなく、これまでのキャリアの中でいろいろ波はあったかもしれません。“踊りたい！”という気持ちに満ち溢れていた時期もありましたし、やる気が出にくい時期や自分を駆り立てなければならないような時期もありました。あるいは疲れを感じたり、自分に発破をかけなければいけないようなときもあります。

オペラ座のレパートリーにしても、正直なところ踊っていて楽しい作品、踊っていて楽しい役ばかりという訳ではありませんし、アーティスティックというよりは技術的な面をみせるダンスになると新鮮な感覚を持つのは難しくなってきます。そういう意味で感覚的にちょっと停滞している気分に陥りがちになることも時にはあります。

ただどんな状態のときも、その後ろにはバレエへの変わらぬ情熱があって、私を支え続けています。イメージとしては、階段を上がっていくような感じでしょうか。水平に進んでいるときもあれば、上に上がって行くときもある。これまでを振り返ってみると、一直線に右肩上がりで進んできたという訳ではなくて、少しずつ階段をのぼってきたという感覚がありますね。

現在の課題、目指すものとは？

ドロテ＞実際のところ、明確な目標を掲げることはないですね。例えばどの役を踊るかということは私自身では決定することはできません。演目を決めるのはオペラ座で、役はディレクターが決めて……となると、何を踊るのかは自分でもわからない。そうした状態では将来の目標を設定しにくいというのが実情です。

“この役を踊ってみたい”とか、“あのパートナーと踊ってみたい”と思ったとしても、自分では決められない要素がたくさん出てきてしまう。それがオペラ座以外の演目やパートナーとなるとさらに困難です。あのバレエ団にゲストとして呼んでもらい、そこで踊りたい役を踊らせてもらい、なおかつあのパートナーと踊って……、といくつものハードルが重なってくる。

そうなると目標というよりは、もう夢に近くなってしまいますよね。だから私自身としては、そのとき最良の自分であろうと務めるだけ。最良のパフォーマンスを行うよう力を尽くすことが、私の全てだと考えています。

Photo by James Bort

最後に、ドロテのように美しくなりたい女性たちのためにアドバイスをお願いします。

ドロテ＞よく寝ること、水をたくさん飲むこと、なるべく良いものを食べ、良い形で食事をすること。あまりストイックになりすぎずに、たまには気晴らしも必要でしょう。夜遅くまで飲んでみたり、甘いものを食べてみたりと、多少は自分を甘やかすことも許してあげる。

そして、人生を楽しむこと。享受するということ。人生は一回限りで、しかもそれはとても短いものだから。もちろんDVDのフィットネスも重要です（笑）。私も毎日実践しています。みなさんもぜひDVDのフィットネスに挑戦し、理想の身体を手に入れてもらえたらうれしいです。