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堀田千晶『メシュラシュ』インタビュー!

イスラエルのバットシェバ・アンサンブルで活躍する堀田千晶さんが、独自プロジェクト『メシュラシュ』を発足。スウェーデン、イスラエル公演を経て、この夏日本公演を敢行します。日本初お披露目に先駆け、イスラエルの堀田さんにインタビュー。プロジェクト発足のきっかけと現地での日々をお聞きしました。

今年の5月にスウェーデンで旗揚げ公演を行っています。

堀田>それぞれの母国でメシュラシュの作品を発表するというのがプロジェクトの大きな目的としてあって、まず第一弾として今年の5月2日にヨーテボリでスウェーデン公演を行いました。会場はスタジオ兼パフォーマンスができる50席ほどのスペース。わりとゆったりとした空間で、音響やライトもセットして上演しました。ダニエルの母国ということで、スウェーデンでは自然と彼女がリードする感じでしたね。ダニエルがイスラエルに来たときにつくった作品と、もともとあったデュエット、イタイのソロなど、別々につくった作品を何作かまとめて発表しました。7月の中旬にイスラエルで公演をして、最後に日本公演を行います。

スウェーデン公演の手応えはいかがでしたか?

堀田>みなさん“すごく良かったよ”と言ってくれたし、手応えはあったと思います。でも私的には手応えが欲しいというよりも、“もっとこうした方がいいよ”という声を大事にしたいという気持ちがあって。日本で発表するためのテストではないけれど、実験的な場でもあったので、何かしら次につながるものが欲しかったんです。そこはまだ私たちが考えなければいけない部分であり、今後も取り組んでいかなければいけないところです。スウェーデンではアフタートークを開催しましたが、お客さんの率直な声を聞いたりと、いろいろ意見交換ができました。

続いて5月6日にストックホルムで公演を行いましたが、そこではヨーテボリでもらったいろいろな意見を作品に反映していきました。だからストックホルムのときとはまた違う舞台になっていたと思います。

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国が違えば考え方も違うもの。メンバー同士で意見が食い違うようなことはないですか?

堀田>すごくあります。私もだいぶ海外生活が長くなりましたけど、彼らといるとやっぱり自分は日本人なんだなって改めて感じますね。私は心配症なところがあるけれど、ふたりは楽観的というか、“大丈夫だよ!”ってヘンな自信がある。そこがまたグループにとってはいいエネルギーになっているけど……。私は言いたいことがあっても言えずに自分の中に溜め込んじゃうタイプ。たとえ言ったとしても、日本人だったら言葉の使い方なんかも考えるじゃないですか。だけどふたりはそういうことはまずないというか、特にイタイは思ったことをすぐ口にする。これはイスラエル人にはよくあることで、イスラエルにいると本当に強くなりますね(笑)。ふたりとも自分の意見を曲げないから、一度主張が大きくぶつかったことがあって、そのときはケンカするところまでいきました。でもお互い言いたいことを言い切ってすっきりしたのか、また絆が深まった。そこは日本人とは全然違うし、良かったなって思います。ケンカするけど仲がいいという感じで、結果的にダニエルとイタイは姉弟のような関係になりましたね。私とイタイはカップルなので、その関係性はたぶん作品からも見えてくると思います。

7月末から8月にかけ日本公演を行います。自身のプロジェクトという意味では凱旋公演になりますね。

堀田>本当にそうです。やっとここまで来たという感じです。日本では新潟公演からはじまり、三鷹公演、広島公演、京都公演と続きます。どこも自分にとって思い出の場所ばかりですね。会場のキープは家族や親友に手伝ってもらいました。みんなの協力がなかったら成立しなかったと思います。ただ場所によって会場の規模も環境も全然違っていて、三鷹はホールですが、広島はホールが取れなかったのでスタジオのような所を借りて、京都は芸術センターの講堂で上演します。新潟は畳敷きの会場なので、それも大きなチャレンジですね。普段はお茶や日舞などの会場として使われている場所ですが、ときどき元Noismのダンサーがそこで公演をすることもあるようです。ダニエルとイタイは畳に触れること自体初めての体験だと思うので、たぶんびっくりするんじゃないでしょうか。会場ごとに環境が違うので、作品の内容もその都度変えざるをえないというか、毎回変えていくつもりです。そこは臨機応変にしようと考えていて、その変化は私も楽しみにしているところです。

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