堀内元『Ballet for the Future 2016』インタビュー!
バランシンの愛弟子と言われる堀内さん。創作する上でバランシンの影響を受けていると感じる部分はありますか?
堀内>確かに影響を受けてはいると思うし、もともとバランシンのもとで育ち、15年間もカンパニーにいたので僕の血筋ではあります。ただバランシンはそれほど古典は手がけなかったけれど、僕は古典が好きなので全幕ものも自分でつくって上演してるし、自分の作品もどんどんつくってる。だから僕自身はバランシンを継承しているつもりは特にないんです。
セントルイス・バレエは年に5シリーズの公演を行っていて、そのうちたいてい一作は新しい作品をつくっています。クリスマスシーズンには毎年僕のバージョンで『くるみ割り人形』を上演していますし、さらに毎年一作は全幕ものを手がけています。今年の四月は『白鳥の湖』で、その前は『ドン・キホーテ』、来年は『眠れる森の美女』を上演する予定です。どこのバレエ団でもそうですが、今はただ古典だけやっていればいいという時代ではない。なのでダンサーもいろいろな振付家の作品を踊れなくてはいけません。

2015年公演より『Attitude』©瀬戸秀美
作品の発端は? 堀内さんの創作法をお聞かせください。
堀内>最初にどういうテーマにするかを決めて、次に曲が来て、それから振付けという順番です。ロマンティックな恋愛をテーマにした作品をつくるのか、世界の平和をテーマにするのか、男性だけの作品にするのか……。
何より一番大変なのは選曲です。ひとつの作品をつくるのに40〜50曲は聴きます。昔はタワーレコードで一日中試聴したり、山ほどCDを買っては、これはダメ、これもダメとやっていたから本当に大変でした。最近はインターネットで聴けるようになったので比較的作業も短くはなったけど、やはりそこが一番大切なところですね。
曲を選んだら、まずは曲の構成を全部つくってしまいます。たとえば古典的な楽曲であれば、楽章の順番を入れ替えてみたりと構成をいろいろ試してみる。そうしてできた曲を聴いて、“よし!”と思ったらそこではじめていい作品になる可能性が生まれる。自分のなかでイメージが盛り上がるものがあり、“これならいける”という気持ちが生まれ、そこでようやくスタジオに入ることができるんです。その段階で僕自身の手応えはある程度ありますが、そこから先はダンサーにも手伝ってもらわないといけない部分になります。
ダンサーには僕の方から“こうこうこうやって動いて”と伝える感じです。たまにダンサーの方から提案してくれることもあるけれど、結局は採用にならないケースが多いですね(笑)。ただ僕が一番強いと思うのは、自分のバレエ団を持ち、自分のダンサーを持っていること。僕が1言ったらみんな10わかってくれる。“こんな感じ”と言ったらどんどん動いてくれて、たとえば右側のパートをつくっていると、左側のダンサーたちもそれを見てどんどん自分たちで動いてる。ほかのバレエ団に招聘されたときに同じことをやろうとすると大変です。そういう意味でも、自分のバレエ団を持っているというのはものすごい強みだと思います。

2015年公演より『Le Reve』©瀬戸秀美