Kバレエカンパニー矢内千夏インタビュー！

オフの時間は何をして過ごしていますか？　バレエ以外の楽しみといえば？

矢内＞オフの日は、寝て、食べて，ストレッチして、マッサージして、寝る（笑）。それ以外は見事に何もしないです。買い物も行かないし、お酒も飲まないので夜出かけるようなこともありません。遊びに行きたいという気持ちが全然ないんです（笑）。

いつもリハーサルで注意されたことを紙に書いて、それを見返しながら音と合わせてチェックするというのが日課になっているので、その時間がたっぷり欲しいんです。予習をしっかりしておかないと次のリハーサルができないので、オフは翌日のために身体を調整する時間という感じ。一番最近出かけたのは……、いつだろう。覚えてないくらい何もしてないですね（笑）。

全てがバレエのためといった感じですね。恋愛をするヒマもないくらい。もし恋愛をするにしても、バレエのために必要だから、なんて言い出すのでは（笑）。

矢内＞ありえますね（笑）。ただ、周りの人たちには“役ごとにいろいろな恋愛をしていけばいい”と言われていて。作品でいっぱい恋をしてるので、今は役の中で恋愛経験を積んでいこうと思っています（笑）。

『ラ・バヤデール』公開リハーサルの様子。（C）瀬戸秀美

プロになって一年あまり。ご自身の中で変わったなと感じる部分はどこですか？

矢内＞物語を重視できるようになったのが一番大きく変わったところだと思います。それまで堅苦しい踊り方しかできなかったのが、『白鳥の湖』で変わることができた。どんなに回れても飛べても感情が何もなかったらつまらないし、そこが一番観ていて楽しいところですよね。だから変えられてよかったし、もっともっとその部分は必要だと思っています。ディレクターに見ていただくとやっぱり全然違います。そういう部分をたくさん教えてくださるので、どんどん変わることができるんです。あとは作品ごとに自分の中できちんと理解を深めていきたいと思っています。

『ラ・バヤデール』の次は12月公演『くるみ割り人形』にマリー姫役で出演が決定。今後も大役が続きます。

矢内＞うれしいですけど、あまりに大きな役をいただきすぎて、“果たして自分はそこまでのレベルに達しているのだろうか”と考えてしまうことがあります。例えば足がきれいだとか、顔がきれいだとか、自分にはそういう特別なものがない。だからよく考えて、自分らしさ、自分の個性が出るようにしたいと思っていて。今はまだそれが見つからなくて、模索している最中です。

今の目標は、みなさんのいいところを足した踊りをすること。素晴らしいダンサーが周りにいっぱいいるので、みなさんのいいところを盗んで、自分の踊りにプラスしていければと。レッスンのたびに周りを見ては、“あ、こうやろう！”って、少しずつ取り入れさせてもらっています（笑）。

『ラ・バヤデール』公開リハーサルの様子。（C）瀬戸秀美