dancedition

バレエ、ダンス、舞踏、ミュージカル……。劇場通いをもっと楽しく。

『ルグリ・ガラ』出演、ワディム・ムンタギロフ インタビュー!

英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルのワディム・ムンタギロフが、この夏開催されるマニュエル・ルグリのガラ公演『ルグリ・ガラ』に登場! ルグリの絶大な信頼のもと、ルグリ版『海賊』をはじめ4作品を披露します。開幕に先駆け、来日中のムンタギロフにインタビュー! 舞台への意気込みをお聞きしました。

8月に日本で開催される『ルグリ・ガラ』では、ルグリ版『海賊』第2幕よりアダージョ、『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』、『ドン・キホーテ』、『ジゼル』の4作品に出演します。

ムンタギロフ>『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』もやはりテクニカルで大変難しい作品です。『ドン・キホーテ』は大好きな演目のひとつ。僕は王子タイプと言われることが多いけど、結構バジルのような情熱的な役も好きなんです。そういう意味では『海賊』も好きな作品です。対照的に、『ジゼル』のように叙情的なパ・ド・ドゥも好き。情熱的で燃えるような役と、王子タイプの役の両方おみせできてうれしいです。

なかでも『ジゼル』は僕が最初に踊った全幕バレエであり、思い入れのある作品です。英国ロイヤル・バレエ・スクールを卒業したとき、イングリッシュ・ナショナル・バレエのウェイン・イーグリング芸術監督から指名され、入団数ヶ月後にロンドン・コロシアム劇場でアルブレヒトを踊りました。当時僕は19歳で、初めての全幕ものということもあり、一生懸命練習した記憶があります。

今回は4作品全てマリアネラ・ヌニェスと踊ります。ヌニェスとはもう2年くらいパートナーを組んでいて、英国ロイヤル・バレエ団では全作品を彼女と一緒に踊っています。ヌニェスはルグリ版『海賊』を踊るのは初めてですが、彼女の方が年上で経験豊かなバレリーナですし、とても強靱でいつも刺激を受けています。イングリッシュ・ナショナル・バレエではダリア・クリメントヴァと5年間踊りましたが、彼女も大ベテランであり非常にすぐれたバレリーナでした。ヌニェスにしてもクリメントヴァにしても、パートナーに恵まれてとてもラッキーだと思います。

 

マリアネラヌニェス(C)ROH, Johan Persson 2010

マリアネラヌニェス(C)ROH, Johan Persson 2010

ガラへの出演のほか、新国立劇場バレエ団をはじめ世界各地のカンパニーでの客演が続きます。

ムンタギロフ>5月は新国立劇場バレエ団で『眠れる森の美女』を踊り、6月2日に英国ロイヤル・バレエ団で『シンフォニック・ヴァリエーションズ』を踊り、6月4日にウィーンで『白鳥の湖』を踊り、翌5日にまた英国ロイヤル・バレエ団に戻って『シンフォニック・ヴァリエーションズ』を踊ります。その後ルグリの『海賊』のリハーサルに取りかかる予定で、自分のシーズンの中でもかなりハードなスケジュールになっています。

日本で踊る場合もそうですが、ゲストダンサーとして出演するときは、たいてい一週間くらい前から現地入りしてリハーサルをはじめます。それでも僕には短く感じてられて、もっと時間をかけたいというのが正直な気持ちです。時差もあって慣れるまで3〜4日はかかるので、あっという間に本番が来てしまいます。時差の問題は深刻で、たとえば日本でのリハーサルが午前11時からだすると、それはロンドンの深夜3時にあたります。朝起きたとき、“今自分はどこにいるんだろう?”とわからなくなってしまうこともよくありますね(笑)。

 

Unknown-1

 

 

-バレエ