NBAバレエ団『リトルマーメイド』リン・テイラー・コーベット インタビュー!
作中はマーメイドが暮らす海のシーンが登場します。海の中の世界観はどのように表現されているのでしょう。
リン>舞台全体をブルーで統一することで人魚の世界を表現しています。あと衣裳による部分も大きいですね。マーメイドの衣裳は色や形で人魚らしさを出していますし、ダンサーはそれぞれ海の生物をイメージした衣裳を着て踊ります。
さらに作中はプロジェクションマッピングを使用し、海の中の世界観をあらわしています。キャロライナ・バレエの初演時にはダンサーがフライングする様子を映像用に撮影し、海の中の浮遊感を演出しています。
マーメイドをはじめ、海の生き物たちの振付けはどのように行ったのでしょう。
リン>マーメイドはもちろん、カニもいればフグもいたりと、『リトルマーメイド』の物語にはたくさんの海の生き物たちが登場します。キャラクターごとにそれぞれのイメージが自分の頭の中にあったので、動きは自然と沸いてきました。
例えばカニだったらかわいらしくユーモラスな動きを、ハリセンボンだったら軽快なジャンプを取り入れ、さらに魔女だったらジャジーな雰囲気でと、それぞれのイメージに合わせて振付けしていったので、ダンスのスタイルもそれぞれのキャラクターによって違います。
海の中で暮らしているときは、マーメイドは人魚をイメージしたロングスカートを履いて踊ります。砦の上に魔女がいて、彼女から与えられた毒を飲むことで二本の脚を手に入れますが、そこから人間の少女となってポワントワークがはじまります。
マーメイド役には竹田仁美さんと竹内碧さんが配役されています。キャスト選定の基準にしたものとは?
リン>キャストは基本的に私が決めました。ただNBAバレエ団はダンサーが大勢いるので全てを把握するのは難しく、キャスティングに際してはバレエミストレスの野田美礼さんの助けも借りています。オーディションではなく、通常のクラスを見て選びました。竹田さんや竹内さんとは『HIBARI』でも一緒に仕事をしたことがあったので、マーメイド役がきっと合うだろうなというのはすぐにわかりしました。
バレエ団のダンサーとはまた別に、6月末に子役のオーディションを開催しています。オーディション内容はとてもシンプルで、通常のバレエクラスを行い、バーレッスンとセンターレッスンを見て選びました。たくさんの応募があって、全国から50名くらいの子どもたちが集まってくれました。
小さい子どもたちの何とかわいらしかったこと! 才能ある子どもたちが多く、選ぶのはとても大変でした。最終的に2公演それぞれ6名ずつ選んでいて、彼女たちは金魚役で出演します。
NBAバレエ団でリハーサルを行ってみて、手応えをどう感じていますか?
リン>みなさんが事前にアメリカ版のビデオを見て勉強してくれていたので、リハーサルはとてもスムーズに進んでいます。マーメイド役のふたりは情熱的でとてもうつくしく、王子役の宮内浩之さんと宝満直也さんも非常に素晴らしい。みなさん本当に熱心で、一生懸命がんばってくれています。きっといいものになると信じています。