マニュエル・ルグリ『ルグリ・ガラ』インタビュー!
ゲランをパートナーに『フェアウェル・ワルツ』を披露します。2015年の世界バレエフェスティバルでやはりゲランと共に同作を踊り、その素晴らしい演技で会場を魅了したのは記憶にあたらしいところです。
ルグリ>ゲランがオペラ座の舞台を降りてから、私たちはいつも連絡を取り合っていました。それから3年ほど経ったころ、とある公演で一緒に踊るパートナーを探していたら、彼女がニューヨークでバーマンのクラスを受けていると耳にしました。そこで私の方から“また一緒に踊らないか?”と声をかけたところ、彼女も快諾してくれました。
パトリック・ド・バナが振付けてくれたこの『フェアウェル・ワルツ』を、ウィーンや中国、そして日本で踊り、好評を博しました。ゲランとは『ル・パルク』のパ・ド・ドゥや、ローラン・プティの『こうもり』のパ・ド・ドゥも一緒に踊っています。彼女とは本当に長い間舞台を共にしてきたので、またペアを組めるのはとてもすてきなことです。この夏も『フェアウェル・ワルツ』のほか何曲か彼女と一緒に踊ります。

イザベル・ゲラン©Deborah Ory and Ken Browar
ダンサーとして感じる『フェアウェル・ワルツ』の醍醐味、手強さとは?
ルグリ>『フェアウェル・ワルツ』はとても特別で、心の琴線に触れるような作品です。なぜなら、私とゲランのために、私たちの年齢や経験に基づき振り付けられた作品だからです。
まずタイトルがこの作品のテーマを的確に伝えていると思いますし、それがなぜこの作品を踊る人、観る人を感動させるのか示していると思います。
音楽もその感情を後押ししてくれます。とてもアイデアを喚起させてくれる音楽です。前回日本で踊った際、バレエ・ファンや評論家のみなさんから温かい評価をいただくことができました。大変喜んでもらえたと思うので、今回また踊ることができとてもうれしいですね。

ワディム・ムンタギロフ©Daria Klimentova
ルグリ版『海賊』も注目されます。振付けをする上でこだわった点とは? 第2幕のアダージョを踊るヌニェスとムンタギロフの魅力についてもお聞かせ下さい。
ルグリ>全幕の振付けをすることは私にとって新しい経験であり、ここまで成功するとは正直期待していませんでした。ウィーン国立バレエ団のレベルの高さをきちんと示すためにも、振付けも簡単なものにはしなかったので、とても大変な作業になりました。ジャン・フランソワ・ヴァゼルの助けを得ながら音楽や振付を考え、自分の解釈に基づく“海賊”のストーリーをつくることができました。そのプロセスの全てを興味深く感じました。さらにラッキーなことに私の周りには素晴らしい人々いて、例えばルイザ・スピナテッリがセットと衣裳をデザインしてくれました。
ウィーンでの世界初演は大成功で、非常に高い評価を得ました。マドリッドのテアトロ・レアルで行った1月のツアー公演もチケットは完売し、大きな成功のひとつになりました。
ムンタギロフはウィーンとマドリッドの初日に主演を務め、素晴らしいコンラッドを踊ってくれました。今回『ルグリ・ガラ』では、ヌニェスが初めて第2幕のパ・ド・ドゥを踊ります。早く日本でもウィーン国立バレエ団のメンバーによる私の『海賊』全幕をおみせしたいです。そして、ゆくゆくは日本のバレエ団でも上演したいですね!

マリアネラ・ヌニェス©ROH-Johan-Persson-2010